秋葉原の事件、やはり多くのブロガーが取り上げ、イザの記者さんも何人か書いているようです。
いろいろな意見が交錯していて、このブログでは、触れない方が良かったかなと半分後悔しています。
まず最初に、今回の加害者には、なんら情状酌量の余地もありませんし、厳罰を望むだけです。
彼個人の境遇や生い立ちにも、事件を起こした以上、まったく興味も同情もありません。
ただ、いわゆる通り魔事件の共通性を考える素材としてのみ、興味を持ちます。
なぜなら、個人の問題だけに原因を求めるには、通り魔事件というものが特異過ぎるからです。
一方、メディアは彼個人の異常性を盛んに取り上げていますが、いったい何の意味があるのか、まったく分かりません。
例:すぐキレる最近の若者、打たれ弱い若者、忍耐力が無い…など
こんな事を書く記者は、約30年に起きた通り魔事件をどう考えるのでしょう。
若者批判のつもりなら、30年前の自分は幾つだったのか思い出して欲しいものです。
まして、的外れな規制や批難(ゲームその他)は、事件を利用しようとしているとしか思えません。
例:凶器になったナイフの規制・ゲームの影響・ネットの問題・歩行者天国の中止…など、これからもまだ出るでしょう。
その馬鹿馬鹿しさに、優秀な記者や役人が気が付いていないはずはありません。
なんらかの意図があるとしか思えない、的外れな批判と対応です。
過去の通り魔事件との共通性(あるいは異なる点)を示し、そこをベースにした分析をするのが、メディアの役割だと思いますが、現実には大ニュースにはしゃいでいるかのような報道すら見えます。
そんな報道に釣られるのか、「許せない」、「死ぬなら一人で死ね」などの声が、ブログ等でも多く出ています。
加害者を批難するのは当然ですが、そこで止まってしまっては、断続的に起きている通り魔事件という異常な犯罪の抑止には繋がらないと思います。
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メディアがやってくれないので、個人的に過去の通り魔事件と比較してみました。
ここから結論を引き出すような専門知識を持ちませんので、私のコメントは書きません。
ここに見られる共通性(あるいは異なる点)を、皆さんはどう解釈されるでしょう。
深川・通り魔殺人事件の川俣軍司と池田小学校・乱入殺傷事件の宅間守には、明らかな異常と犯罪性(前科)があります。
新宿西口・バス放火事件の丸山博文と池袋・通り魔殺人事件の造田博、下関・通り魔殺人事件の上部泰明は、前科が無いか微罪ですが、異常な言動か異常と診断された事があります。
彼らの言動や精神に、異常性という共通項があるのは確かなようです。
(あくまでこの5例だけの中で)
■通り魔事件とは
まず、いわゆる通り魔事件の表面的な特徴を書いておきます。
・まったく無関係な人たちを殺傷する
・人の集まる場所で堂々と犯行を行う=処罰を恐れていない
・その場では自殺しない
・社会や他人に対する憎悪を言葉にする
・多くの場合、事前に異常な言動がある
■今回の事件(2008年6月)
加藤智大容疑者(25)
秋葉原の歩行者天国へ車で突進、数名をはね、さらにナイフで殺傷。
7名が死亡、10名が重軽傷
境遇
まだ詳細が不明な点が多い。派遣社員で自動車部品工場に勤め、単身者用アパートに暮らす。借金を踏み倒して逃げてきたらしい。親との関係にもトラブルがあったという情報も。
事件直前
「作業場行ったらツナギがなかった」「辞めろってか」
「住所不定無職になったのか。ますます絶望的だ」
動機、他
「みんなに馬鹿にされてるから車でひけばいいのか」
「高校出てから 8年、負けっぱなしの人生」
「勝ち組はみんな死ねばいい」
「世の中がいやになった。人を殺すために秋葉原に来た。だれでもよかった」
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■主な通り魔事件のリスト
新宿西口・バス放火事件(1980年8月)
丸山博文(当時38歳)
新宿駅西口バスターミナルでバスに放火
6人が死亡、14人が重軽傷
境遇
妻が長男を出産した翌年に妻が精神病院に入院して離婚、子供を児童施設に預け、九州や大阪、静岡などを転々として、上京して現場作業員として働き、毎月子供に仕送りをしていた。アルコール酩酊中に、若い女性の部屋に侵入して逮捕されているが精神分裂病の診断で起訴をまぬがれている。
事件直前
駅の階段で酒を飲んでいた時、通行人のサラリーマンやデパートの係員から「邪魔だ」と言われ立腹する。
動機、コメント
サラリーマンやデパートの係員から「邪魔だ」と言われた事に腹を立て…。
サラリーマン達には帰る場所もあり幸福な暮らしをしているのに対して、俺は何なんだというジレンマに腹を立てた。
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深川・通り魔殺人事件(1981年6月)
川俣軍司(当時29歳)
江東区森下二丁目の商店街で包丁で通行人を殺傷
児童1人と乳児1人を含む4人が死亡、2人が怪我
境遇
トラック運転手・寿司職人などを短期間で頻繁に転職、覚せい剤の常習、傷害事件など7件以上の逮捕歴。親兄弟からも見放されていた。
事件直前
直前に寿司職人の面接で断られている。
動機、コメント
「寿司職人になろうと面接を受けたが、断られて腹が立った。子供を持つ家族が羨ましかった、手当たりしだいに鬱憤を晴らした」
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池袋・通り魔殺人事件(1999年9月)
造田博(当時23歳)
東急ハンズ池袋店前、包丁と金槌で通行人を襲う
2人が死亡、6人が重軽傷
境遇
高校時代に両親が借金で失踪、高校を中退、職を転々とし、官庁への意味不明な投書を続ける。短期間渡米中に奇行を見せる。帰国後も職を転々とし、最後に新聞販売店へ勤める。
事件直前
携帯電話への無言電話を、嫌っていた同僚の仕業と思い激怒し、そのまま欠勤、部屋を出る。
動機、コメント
「真面目な人がさらにさらに苦しむ一方で、遊んで楽をしていられる身分の人たちがいることに嫌気がさした」
通行人達が「努力していない人に思えて腹立たしかった。自分の価値を認めない社会に復讐するためだった」
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下関通り魔殺人事件(1999年9月)
上部泰明(当時35歳)
下関駅にレンタカーで突入、通行人をはねた後、包丁で殺傷
5人が死亡、10人が重軽傷
境遇
九州大学工学部卒、在学中に対人恐怖症の症状を見せ、卒業後の就職がうまくいかずに、治療や入院をしている。何度か転職、建築士1級の資格取得、設計事務所を経営するが、不振で閉鎖。軽トラック運送業を始めたが、台風の影響で車が冠水し廃車。
事件直前
やり直しを賭けた運送業が、台風によって営業者が廃車になり挫折。同じ頃、妻から離婚の申し出がある。
動機、コメント
「俺は、どこまでも運が無い」
社会に対しの恨みか、「ただでは死なない」
「何をやっても成功せず、いつも自分だけが貧乏くじを引き、みじめな思いをしている。中卒でもできる運送業を、どうして一流大学を出ている自分ができないのか。」
「池袋事件のようにナイフを使ったのでは大量に殺せないので車を使った」
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池田小学校・乱入殺傷事件(2001年6月)
宅間守(当時37歳)
小学校へ進入、出刃包丁で児童を殺傷
児童8名死亡、15人が重軽傷
境遇
希望する附属中学への進学を両親に断られる。高校中退後は職を転々とし、傷害・恐喝・放火未遂・詐欺・動物虐待14回の逮捕の逮捕歴と4度の離婚歴。
事件直前
闇金融や滞納家賃、車のローンなどの取立てを受ける。父親に借金を頼むが断られる。
動機、コメント
「あほらしい。大量殺人を起こせば離婚した妻や、不仲の父親を後悔させるとこができる」
「家が裕福で勉強の出来る人間でもいつ殺されるか分からない不条理さを世の中に分からせたかった」
「絶望的な苦しみを、できるだけ多くの家族に味わせてやりたかった」
「しょうもない貧乏たれの人生やったら、今回の事件の方がマシ」
「捕まって死刑にして欲しかった」
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最後に、同じ大量殺傷でもまったくタイプが違うと思える例を挙げておきます。
・津山30人殺し
この犯人は、殺傷対象に対する明確な復讐心がありました。
その証拠に、自分の悪口を言わなかった人間を見逃しています。
たとえ思い込みにしろ、殺傷対象は自分が具体的に恨む人間だった点で、いわゆる通り魔事件とは一線を画しています。


by Bero
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